自宅に2ヘクタールの庭

十勝家畜人工授精所社長の吉川広司さん(62)は、帯広市昭和町の自宅敷地で約2ヘクタールの広大な庭園を造成し、訪れる人の話題になっている。吉川さんは「将来はさらに庭を拡張し、地元の農産品や加工品を販売することも考えている」と話している。

 自宅は会社に隣接し、国道236号の西側にある。庭は大きな岩から流れ落ちる滝をメーンに配置して、湧き水を活用した澄んだ池が点在する。コケが生える樹齢100年以上の樹木や、赤と白のツツジで富士山を表現した小山、ヨーロッパを思わせる石像、高知市播磨屋(はりまや)橋をイメージした朱色の橋など多彩なエリアがある。ショウブやバラ、シベリアザクラなど季節ごとに花を植え、吉川さんは「何種類あるか分からないほど」と話すほど植栽も豊富だ。

 吉川さんは1985年に同社を設立。家畜人工授精用凍結精液の販売を手掛け、全国各地に顧客がいる。仕事で全国を飛び回り、多くの観光地や庭園を目にしてから庭に興味を持つようになった。「歴史や伝統のある数々の素晴らしい庭園に出合ってきた。もう一度行きたくてもかなわないので、いつでも見たいと思い、参考にしながら造った」という。手入れは、年1回程度専門業者が入るのみで、あとは自然に任せている。

 庭はまだ未完成で、将来は3ヘクタール程度まで広げたいと考えている。地元の農家や酪農家など生産者が手掛けるジャムやアイスクリームなどを売るスペースも提供し、庭園内の建物でコーヒーや食事を出すことも検討している。

http://www.tokachi.co.jp/news/201206/20120621-0012883.php