ホタル鑑賞会:公園に光の舞、遺志実る 深谷の故新井さん研究、ボランティアが飼育続け 数百匹飛び交う /埼玉

深谷市櫛引の公園「ふかや緑の王国」の水路に6月下旬、数百匹のヘイケボタルが舞い、淡い光を放った。市民ボランティアが主催した鑑賞会。だが、ホタル飼育に情熱を注ぎ、指導的立場にあった市内の造園会社社長、新井佐五郎さんの姿はなかった。新井さんは2年前に急逝。その遺志を引き継ぎ、「ホタルが住む環境を作りたい」とボランティアが飼育を続けている。【大平明日香】

 「見て、おやじのホタルだよ」。今年の鑑賞会に足を運んだ新井さんの長男悠佐(ゆうすけ)さん(33)が思わず声を上げた。長女と長男の肩を抱き寄せ、亡くなったおじいさんがホタルを育ててきたことを教えて聞かせた。

 ふかや緑の王国は、県農林総合研究センター跡地を深谷市が借り受け、市民ボランティアの整備によって09年2月にオープンした。開園準備をしていた08年、ボランティア代表の佐藤武雄さん(73)は「昔のようにホタルが舞う環境を作りたい」と考え、ホタル班を結成。ホタルを飼育研究していた新井さんに声をかけた。

http://mainichi.jp/area/saitama/news/20120706ddlk11040224000c.html