造園業協会宮城県支部が仮設の広場に庭園整備 仙台・長町

東日本大震災の被災者に自然の癒やしを提供しようと、宮城県内の造園業者でつくる日本造園建設業協会支部仙台市青葉区、会員19業者)が、あすと長町仮設住宅太白区、225世帯)の広場に庭園を整備した。22日、最後の仕上げとして、協会員と避難生活を送る住民が一緒に花を植え、憩いの場の完成を共に喜び合った。

 庭園は仮設住宅団地の中央部に整備され、広さは約60平方メートル。マリーゴールドやベゴニアで彩った花壇のほか、れんが舗装で掲示板があるスペース、藤棚の下にベンチを置いた休憩所も設けられた。
 県支部は、仮設住宅宮城県のほか、岩手、福島両県の被災者も集まっていることに着目。3県の雑木林によく生えているヤマボウシやウバメガシ、シラカシを敷地内に植え、「東北の古里の風景」を演出したという。
 庭園のデザインには住民の意見も取り入れ、県支部に加盟する業者の職人たちが9日、整備作業を始めた。
 22日は、協会員と住民計約40人が軍手とスコップを手に集まり、花の苗560本を花壇に植えた。作業を終えると、参加者は「きれいだね」と言葉を交わしながら庭園を見渡した。
 県支部の阿部紀久雄支部長(58)は「仮設住宅の緑を充実させることで、避難生活を送る被災者に安らいでもらえればうれしい」と語った。
 仮設住宅の飯塚正広自治会長(50)は「殺風景だったスペースが素晴らしい庭園になり、とてもありがたい。きっとみんなの憩いの場になる」と喜んだ。


2012年04月23日月曜日


http://www.kahoku.co.jp/news/2012/04/20120423t13024.htm