菅人事難航!岡田が幹事長固辞 原口、長妻はクビ?

民主党代表選で難敵の小沢一郎前幹事長(68)を退け、再選した菅直人首相(63)。15日に小沢氏や鳩山由紀夫前首相(63)らと会談、同日中にも党役員人事の骨格を固める構えだが、前途は多難だ。小沢陣営に配慮した挙党態勢に向け、「脱小沢」の急先鋒である枝野幸男幹事長(46)を交代させる見通しとなったが、後任人事で路線見直しとなれば菅支持派の猛反発は必至。まさに一難去ってまた一難なのだ。

 「選挙は終わった。約束通りノーサイド。挙党態勢で頑張り抜く」

 代表選の臨時党大会で、こう宣言した菅首相は一夜明けた15日、早速動いた。

 午前には、岡田克也外相(57)や前原誠司国土交通相(48)の各代表経験者、横路孝弘衆院議長(69)と相次いで会談。その後、鳩山氏とも党本部で会談したが、鳩山氏が小沢氏を含めた「トロイカ体制」の再構築を念頭に、人事面での「脱小沢」路線の見直しを求めたとみられる。

 背景には、代表選の国会議員票で「ほぼ半数が菅氏に不信任をつきつけた」(小沢陣営幹部)結果だったからだ。菅氏支持206人に対し、小沢氏支持は鳩山氏や輿石東参院議員会長(74)ら実力者を含む200人の支持を獲得し、「薄氷の勝利」(菅陣営の江田五前参院議長)だった。

 つまり、菅首相が今後、円滑な国会や政権運営をするには、小沢氏支持派の「党内野党」との関係修復が欠かせない。それだけに、「小鳩」への配慮が求められるわけで、真っ先に固まったのが枝野氏の交代論だ。

 枝野氏は「政治とカネ」の問題で鳩山氏とともに幹事長を辞任した小沢氏の後任で、7月の参院選で惨敗した責任論が噴出。枝野氏も参院選後、辞意を首相に伝えたが、慰留された経緯がある。それだけに、枝野氏は代表選後、「多くの有為な仲間が残念な結果になったことは、幹事長として責任を感じている」と述べ、引責辞任の意向をにじませた。

 後任は、菅首相周辺では岡田氏を軸に人選が進んでいるが、小沢支持派の抵抗が少ないとみられる旧民社系の川端達夫文部科学相(65)の名前も取りざたされている。小沢サイドからは、代表選で小沢氏を支持した細野豪志幹事長代理(39)や松本剛明衆院議院運営委員長(51)を推す声もある。

 ただ、代表選で菅陣営の中核となった前原氏らは「脱小沢」路線の見直しに強く反対しており、首相も求心力を維持するために、「一兵卒」小沢氏の影響力が及ぶ事態は避けたい考えで、板挟みの状態だ。

 一方、枝野氏と二枚看板で「脱小沢」路線を牽引してきた「影の宰相」仙谷由人官房長官(64)について、首相は留任させる方向だ。「要は枝野氏のクビを差し出して『党内野党』をなだめようとしている。まさに人身御供といえる」(民主党関係者)。

 菅首相は17日にも内閣改造を断行する方針で、「枝野氏の後任は早ければ15日中に決める」(首相周辺)見通しだが、「挙党態勢人事の妙案を編み出すのはかなり難しい」(中堅)との見方が強まっている。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100916/plt1009161654003-n2.htm