ピエロ鳩山、涙目で「ボクは何…」不可解な言動“殲滅戦”演出

民主党代表選をめぐる前哨戦で、とんだピエロを演じたのが鳩山由紀夫前首相だ。党分裂回避のため、菅直人首相と小沢一郎前幹事長の間を「伝書鳩」のごとく何度も行き来したが、「元首相」という威光は完全無視され、菅−小沢会談は決裂した。最終的に、代表選を迷走させ、党を分裂含みの殲滅戦に突入させてしまった。

 「ボクは一体、何だったんでしょうね」

 鳩山氏は31日夕、「菅vs小沢」のガチンコ対決が決まったのを受け、側近議員にこうもらした。目にはうっすら涙が浮かんでいるように見えた。

 だが、菅首相を支持する閣僚の1人は、代表選をめぐるゴタゴタについて、「言動がブレてしまう鳩山氏が引き起こした政局だ」と批判。

 確かに、鳩山氏の言動は不可解だった。参院選大敗で菅首相の責任論がくすぶっていた7月22日、「代わったばかりで(すぐに)降ろすという話にはならない」と首相再選を支持。8月17日には訪問先の北京で「菅内閣で頑張っている姿を、民主党議員として応援するのは当たり前だ」とまで言い切った。

 ところが、帰国後の19日、長野県軽井沢町で開いたグループ研修会に小沢氏や小沢グループの議員を招待。120人以上が集まった懇親会は、さながら「小沢氏決起集会」の様相となった。

 その後、菅首相と小沢氏の間を「仲介役」として行き来。24日夜に都内のホテルで小沢氏、25日夕には官邸で菅首相と会談。翌26日朝の小沢氏との会談で支援を求められると「小沢氏に民主党に入っていただいた経緯から、応援するのが大義だ」と快諾したが、告示直前には直接対決を避けるため調整に奔走した。

 鳩山氏の胸中について、党関係者は「菅、小沢両陣営の対立が激化し、醜悪なスキャンダル合戦まで発展した。党『創業者』を自負する鳩山氏としては、修復不能な亀裂を感じ、党分裂を回避するために努力したようだが…」と語る。

 1日朝、鳩山氏は自身のグループ議員を集めた会合で「私の仲介が意味をなさず申し訳なく思う」とあいさつした。両陣営の亀裂は想像以上に深く、分裂含みの直接対決は避けられなかった。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100901/plt1009011624003-n2.htm