世論は菅、7割が首相再選支持 小沢は支持率たった14%

民主党代表選をめぐる報道各社の世論調査で「世論は7割前後が菅直人首相の再選を支持」という結果が出た。「政治とカネ」のトゲが刺さったままの小沢一郎前幹事長への批判を追い風に、「脱小沢」路線を曲げない菅首相の“圧勝”を演出している格好だ。

 「菅vs小沢」のガチンコ対決がほぼ固まったのを受け、報道各社は先週末、世論調査を実施=表参照。次期代表にふさわしいのは「菅首相、小沢氏のどちらか」と聞いた結果、菅首相を挙げたのは7割前後となり、毎日が最も高く78%だった。民主党支持層に限れば日経が83%、共同が82%と8割を突破している。

 ただ、首相を選んだ理由は、「小沢氏を支持できないから」(日経)、「首相が短期間で代わるのは良くない」(読売)という消極的支持が大半だ。

 これに比例してか、内閣支持率も前回調査よりも10ポイント近く上昇し54%〜48%に。逆に不支持率は36%前後に下落した。

 一方、小沢氏を挙げたのは、軒並み14%〜17%にとどまった。「指導力に期待する」が最大の理由だが、読売の世論調査で「政治とカネ」の問題について、「小沢氏は説明責任を果たしていない」が9割、この問題で6月に幹事長を辞任したばかりなのに、代表選に出馬するのは「納得できない」が81%を占めた。

 両陣営とも多数派工作を激化させているが、世論調査が国会議員や地方議員、党員・サポーター票に影響を与えるのは間違いない。

 それだけに、菅グループでは「世論調査の結果が浸透すれば、劣勢とみられる国会議員票でも逆転が可能だ」と気勢を上げる。実際、首相側近の寺田学首相補佐官は「世論と党内世論が乖離した形は民主党らしくない」とけん制する。

 一方、小沢陣営は世論調査は織り込み済み。一新会鈴木克昌会長も「小沢氏の売りは『剛腕維新』。強力なリーダーシップで国を立て直すところに小沢氏への期待感がでてくる」と自信をみせたが、「世論を無視したまま正面突破できるのか」(中堅)との不安感も漂う。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100830/plt1008301249000-n2.htm