子ども手当支給開始 総額2兆円強に関連企業が手ぐすね

子ども手当の支給が1日、北海道、新潟、富山の3道県の7町村で始まった。多くの自治体が10日前後の支給を予定しており、月内にすべての市町村で支給される見込みだ。小売業などの関連業界では、需要を取り込もうとする動きが活発化。個人消費が盛り上がりを欠くなか、各社は財布のひもを緩める起爆剤として手当支給に期待しており、給付費総額2兆2500億円強をめぐる争奪戦が激化する。

 イトーヨーカ堂は5月29日から、子ども手当の支給月額と同じ1万3000円の商品券を1割(1300円)分のおまけを付けて販売。中学生以下の子供がいる家族向け会員制サービスの顧客が対象で、「買い物対象を絞らず幅を広げ、消費につなげたい」と意気込む。横浜市内の店舗で2児の母親(46)は「子供用の水着を買い、残りは生活費に回す」と話した。

 高島屋は6月2日から、パズルなど上質な知育(知的能力を伸ばす教育)玩具の品ぞろえを拡充。パジャマなど「お出かけセット」(1万3650円)も発売する予定で、「百貨店で買い物をするきっかけにしてほしい」と説明している。

 教育産業も鼻息が荒い。「学研教室」を展開する学研エデュケーショナル(東京)は「どのような需要があるのか探ってみたい」と、これまで小学生の夏休み期間に実施していた「夏の特別教室」について、6月に受講できるコースを一部地域で設けた。入会金と国語、算数2教科で計1万3000円以下。

 銀行は子ども手当の受取口座を獲得しようと躍起だ。香川県が地盤の百十四銀行は同行を手当振り込みの指定口座にした場合、教育ローンなどの金利を優遇するサービスを7月から始める。

 日本生命保険は3歳から加入できる終身保険や定期保険などをまとめたパンフレットを作製。月額保険料が1万3000円程度に収まるプランを提示している。

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