鳩山無念?時折目をうるませ「不徳の致すところ」

鳩山由紀夫首相は2日午前の民主党両院議員総会で「不徳の致すところだ」とわずか9カ月で政権の幕を閉じる失態を率直にわびた。冒頭言葉を詰まらせ、時折目をうるませながらの辞意表明。無念さをにじませたが、小沢一郎幹事長に辞任要求したくだりでは意地も見せた。「そのことで新しいクリーンな民主党をつくることができる」

 首相は昨年9月の政権交代で「日本の政治は大きく変わった。国民の判断のおかげだ」と強調。「政治主導」の成果として子ども手当や高校授業料無償化などを挙げた。

 しかし、迷走に次ぐ迷走を招いた普天間飛行場移設については「半年間、県外移設に努力してきたが、沖縄に負担をお願いせざるを得なくなった」とあらためて陳謝。「できるだけ県外にという気持ちを持ち、少しでも移せるよう努力を重ねるのが大事だ」と、後継首相に県外移設へ努力を続けるよう求めた。

 自身の「政治とカネ」問題に触れ「クリーンな政治をつくらなければ政権に好意を持ってもらえないのに、自分も違反を抱えていた。想像だにしなかった」と悔やんだ。その上で「小沢幹事長にも疑念があった」と指摘し「私も引きます、しかし幹事長も恐縮だが、職を退いてほしい」と、同時辞任を求めたことを明らかにした。

 首相は「国民に新たな民主党聞く耳を持ってもらえる」と、政党支持の回復に期待感をにじませた。

 また、先の日中韓首脳会談の際に宿泊した韓国・済州島のホテルで、部屋にヒヨドリが飛んできたエピソードを紹介。「わが家から飛んできたヒヨドリかな。そろそろ自宅に戻ってこいよと招いているのかな。そう感じた」と語った。

 最後は「国難の時、ぜひ国民と新しい時代をつかみ取っていこう。大変ふつつかな私だったが、今日まで先頭に立って歩ませてくれ感謝したい」と頭を下げた。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100602/plt1006021640005-n2.htm