ご存知ですか?テレカで電話料金が払えるのを 不況で利用者急増

テレホンカードが電話料金の支払いに使えるのをご存じ? 不況で節約にいそしむ消費者が、NTT東日本と西日本が実施している“テレカ振り替え”のサービスに着目、最近になってテレカの利用が増えているというのだ。引き出しの奥底に眠っていた過去の“遺産”が、思わぬ形で脚光を浴びている。

 都内在住の主婦が「これで固定電話の通話料が払えるんですよ」と見せてくれたのは、かつて親族の葬儀で配布されたテレカ。タンスにしまい込んでいるうちに携帯電話の普及で公衆電話機が減り、使う機会を失っていたものだ。「それがこうして家計を助けてくれるんですから、これも故人のおかげかしら」と主婦は言う。

 街の公衆電話機は1995年の80万台を頂点に、2009年3月末には約30万台にまで減少した。ところがNTTが計上するテレカの関連費用は増加傾向にあり、「今年の3月期は100億円規模だった」(関係者)という。NTT東日本は「具体的な数字の公表は差し控えている」(広報)とするが、忘れられたはずのテレカが見直されているのは間違いない。

 未使用テレカでの通話料支払いサービスは89年10月から始まった。毎月の電話料金のうち、ダイヤル通話料金の支払いにテレカを充てることができる。ただし、磁気カードは1枚につき50円、同じくICカードは100円の手数料がかかる。

 家計に詳しい経済ジャーナリストの荻原博子氏は「実はテレカを眠らせている人は多い。かつて結婚式では新郎新婦が写ったものをよくもらいましたし、アイドルなどのテレカブームで大量に収集した人も多いはず。倹約志向の高まりでこのサービスの存在が徐々に認識され始め、ここにきて利用者が急増したのではないでしょうか」と分析する。「換金できるものは何でも使おう」というわけだ。

 中には金券ショップで900円程度のテレカ(105度数)を購入して通話料支払いに使い、もうけを出すという達人もいるという。もっとも、手間を考えればどれほどの“利益”か見当はつかないが…。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100427/dms1004271631010-n2.htm