【2010参院選を占う】田中有利も連合とシコリ 新潟選挙区

民主党県連最大組織「新潟連合」の票の流れ次第で、情勢が大きく変わりそうだ。「実に複雑」と解説するのは地元の民主党関係者だ。

 「今回、新潟連合会長が一時、自民党議員だった田中直紀氏を推すことを渋り、2人目の擁立を模索したんですよ」

 理由は2つ。

 1つは、前回参院選のシコリ。直紀氏は6年前の参院選自民党議員として出馬し、民主、社民両党推薦の近藤正道氏と激突した。連合は近藤氏を全面支援した。

 ところが昨年、直紀氏は、妻の田中真紀子氏とともに突然、民主党入りした。連合としては一転、かつての宿敵を参院選で支援するハメに。それに対し、一部組合から反発の声が出て、会長も重んじたという。

 もう1つは、昨年の総選挙のシコリが尾を引いているという説。民主党入りした真紀子氏は連合新潟推薦を受け、協定を結んだ。だが、中身が意に沿わず、推薦返上という大騒動となった。

 「結果、全県各選挙区で民主党候補が圧勝する中、真紀子だけが苦戦、自民党候補に1万7000票差近くまで追い上げられた。選挙後、直紀が連合の各組合に平謝りし、関係修復したものの、いまだにシコリを持つ組合もあるという」

 それでも、民主党は、真紀子氏を重んじる小沢一郎幹事長との関係や、今回、党全体の支持率低下もかんがみて、2人目擁立を断念した。

 だが、ここからがややこしい。

 連合は、推薦を民主党候補の直紀氏だけでなく、社民党の近藤氏にも出すことを決定。どちらをやるかは各組合判断だという。

 「近藤も問題がある。というのは、6年前は無所属で出馬し、連合も全力を尽くしたが、当選後にあっさり社民党に入った。これに連合内にはいまだに反発もある」と先の民主党関係者。まさに、「連合票よ、いずこへ」というところ。

 漁夫の利を得るのは自民党か?

 「そう簡単でない。自民党の中原は県議4期のベテランだが、地盤の新潟市では知名度はあるが全県ではまだまだ。そこにいくと直紀の知名度は全県で抜群。真紀子節の応援と、角栄元首相時代から『田中』の名を書いてきた自民党系の一部は直紀に流れるという見方もある。だが、何が何でも1議席確保したい」(自民党関係者)

 自民党の意地と、連合の力の入れ方が、最後に勝敗を決しそうだ。

(ジャーナリスト・田村建雄)

【新潟選挙区 主な立候補予定者】

(定数2)

田中 直紀69元農水副大臣  民現

近藤 正道63弁護士     社現

中原 八一50県議      自新

武田 勝利46党県常任委員  共新

宮越  馨68元上越市長 みんな新

《検討中?》

候補者不明        幸福新

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100426/plt1004261535001-n2.htm