花壇、仮設住宅の社交場に 造園業者がノウハウ伝授 仙台

仮設住宅の花壇造りを通じ、住民の交流を後押しする「みんなの花壇プロジェクト」が、仙台市内を中心に進んでいる。「花を植え、育て、めでるプロセスを通じ、絆を強めてほしい」。プロジェクトに取り組む造園業者らはそう願っている。
 宮城県内の造園業者らが昨年5月、「花と緑の力で3・11プロジェクト みやぎ委員会」を設立。全国の支援などを基に、避難所や仮設住宅プランターや花の苗を贈ってきた。
 一人一人が管理するプランターでの栽培は住民同士の交流が生まれにくいとの反省から、震災1年を機に「花壇造りを通じたコミュニティー育成」をプロジェクトの新たな目標に据えた。
 仮設住宅自治会に土や苗、花壇を囲む枕木を提供。住民が主体となって花壇を造ってもらい、「庭造りのプロ」が管理のノウハウを伝授する。
 8カ所目となる花壇を4月、宮城野区扇町4丁目公園仮設住宅に造った。約15平方メートルの花壇に、住民やボランティアら約20人がスイセンやラベンダーなど約20種類500株を植えた。
 自治会長の庄司和広さん(39)は「みんなが笑顔になった。ぜひ交流の場にしたい」と語った。
 委員会は、仮設住宅に野菜畑を造るプロジェクトも展開している。鎌田秀夫委員長(58)は「きれいな花や緑を嫌いな人はいないはず。園芸や畑仕事が、ちょっとした会話の糸口になればいい」と話している。

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/05/20120507t13027.htm