ノムさん岩隈放出騒動をすべて語った!楽天は“金儲け主義”

楽天野村克也名誉監督(75)が、ポスティングシステム(入札制度)でアスレチックスが独占交渉権を得た楽天岩隈久志投手(29)の大リーグでの活躍に、意外にも太鼓判を押した。一方で最下位チームから出て行くエースの岩隈を楽天星野仙一新監督(63)が引き留めなかった理由を知って思わず納得。また、3位から日本一になったロッテについては「認めない」と否定するなど、ボヤキを全開させた。

 岩隈を落札した西海岸の名門チーム、アスレチックス。米メディアによると落札金額は1700万ドル(約13億7500万円)と判明。アスレチックスには30日間の独占交渉権が与えられ、今後は岩隈の代理人である団野村氏が交渉し、まとまれば正式に移籍が決まる。

 ノムさんは岩隈のメジャー移籍に「(継子の)団が代理人だから、オレも言いにくいんだけど…」と前置きし、「みんながメジャーにあこがれたら、日本の野球はどうなるんだ」などと苦言を呈した。

 これまで阪神時代に育てた井川慶投手(ヤンキース3A)や、楽天からレンジャーズに移籍して出戻った福盛和男投手のことは「おまえが通用するようなら、もうメジャーはメジャーじゃないと言って送り出したんや」と明かすだけに、当然岩隈にも餞別代わりのボヤキ爆弾が炸裂するかと思いきや…。

 「岩隈は制球がいいし、フォークを投げるから通用するだろう。メジャーの投手はあまりフォークを投げないから。井川は制球が悪いし、打者が嫌がるようなこれという変化球がない。福盛もフォークを投げるけど、あの程度ではやはりダメだった」と3投手を比較分析。

 さらに「川上憲伸ブレーブス)でも先発でやってたんでしょ? (岩隈は)エース級の活躍はできないだろうが、チームとしては10勝10敗の投手も貴重だし、先発の4、5番手として役には立つだろう」とボヤくことなく、珍しく太鼓判を押した。

 今季の岩隈は10勝9敗も、防御率はリーグ4位の2・82。楽天のチーム事情を考えると、最下位のチームからエースが抜けてしまうのだから、この穴はとても埋まりそうもない。

 チームの緊急事態にノムさんは「楽天は投手が岩隈とマー君の2人しかいないんだから。星野はよく黙ってるな。ドラフトでいい投手が当たるかと思ったら全然だったし。星野は『もう1年待ってくれ』と引き留めないのかな?」とクビをかしげるばかり。

 しかし、岩隈の落札金が楽天に入ると聞いて、思わず納得だ。

 「13億円はどこに入るんや? これで星野の(年俸)分が出たな。楽天は完全な金儲け主義。米田(球団代表)は『利益が上がった』と、わずかでもそればっかり自慢していた。『利益を上げたのは巨人と阪神とウチだけだ』とか。よく星野を獲ったと思ったけど、これ(岩隈の落札金)があったんだよ」と謎が解けた様子。

 星野監督は中日時代から鉄拳制裁で有名だが、「嶋(捕手)は大丈夫か? 間違いなくボコボコにやられる。殴りやすいのと殴りにくいのがいるみたいや。まあ、どちらにしても捕手がエジキだよ。血がのぼったら、訳が分からんようになる。性格だから治らん。マー君はよう殴らんやろ」と心配している。ちなみに星野監督から名誉監督への就任報告の電話は「ないよ。あるわけないやろ!!」。阪神監督就任時は、前任のノムさんに「野村野球を引き継いで、しっかりやります」と連絡があったが、すっかり仲がこじれてしまっているようだ。

 それだけに来年の久米島キャンプも、名誉監督として自らが出向いたら星野監督がやりにくいだろうと考えたようで、「行かん。楽天のキャンプに行くぐらいなら、巨人のキャンプに行くわ」と訪問予定はなし。

 「仙台もますます行く用事がなくなっちゃったな。名誉監督なのに、どうしたらいいのかな?」とノムさんは困り果てるばかり。野村名誉監督と星野監督の合体はやはり見られないのだろうか。(塚沢健太郎

http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20101110/bbl1011101611017-n1.htm