ネット覇権戦争激化! 楽天がヤフー・グーグル提携に待った

インターネット商店街を展開する楽天が、インターネット検索で世界最大手の米グーグルと国内最大手の日本のヤフーの提携に待ったをかけた。提携が実現すれば、国内でのグーグルの支配力が強まり、独占禁止法に違反するとして、公正取引委員会に調査を求める手続きをとったのだ。同様の手続きは米マイクロソフト(MS)もとっており、大手4社がネットの覇権をめぐりガチンコバトルを繰り広げる展開となっている。

 日本のヤフーとグーグルは今年7月、検索技術での提携を発表。ヤフーは検索機能やネット広告などのシステムで、グーグルの検索エンジンの技術を取り入れることになった。

 これまで日本のヤフーは、33・8%を出資する第2位の株主でもある米ヤフーから検索関連の技術を供与されてきたが、これを全面的にグーグルに乗り換える。国内のネット検索のシェアはヤフーが53%、グーグルが37%とされ、ヤフーのグーグルへの乗り換えで、事実上、グーグルのシェアが9割に達するとみられている。

 楽天はこうした状況に危機感を持った。グーグルの検索エンジンの利用が増えて情報が集中し、ネット検索や検索と連動する広告などの分野で、グーグルの支配的な地位が強まる恐れがあるためだ。

 楽天はさらに、公取委に提出した文書の中で、日本のヤフーとグーグルの提携によって、国内のネット産業全体の成長にも悪影響があるとも指摘している。

 両社の提携をめぐっては、MSもグーグルの独占禁止法違反の可能性について、公取委に調査を求める手続きをとっている。ネット検索でグーグルに大きな後れをとっているMSは、米ヤフーと提携。米ヤフーがMSの検索エンジンを活用することで合意し、MSはこれを機に巻き返しを図ろうとしていた。

 しかし、グーグルが首位ではない、世界的には特異な日本市場で、日本のヤフーとグーグルが手を組むことで、MSの世界戦略が狂ってしまう。そのため、MSも今後、両社の提携を阻止するような活動を強めてくるとみられる。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20101020/dms1010201634022-n1.htm