岡田監督、余裕の散髪!デンマーク戦は「10−0」宣言

ルステンブルク南アフリカ)22日】W杯1次リーグ突破をかけて24日にデンマークと対戦する岡田ジャパンは22日、決戦の舞台となるルステンブルクに入った。必勝を期して散髪した岡田武史監督(53)は、何と敵将に向けて「日本攻略法」をプレゼントするなど余裕しゃくしゃく。デンマーク打倒の秘策は万全、決勝トーナメント進出を見越した準備まで開始した。「10−0がいい」という岡田監督の大胆な予言通りにいきますか。

 合宿地のジョージからルクセンブルクへ。1次リーグの決着をつける最終舞台は、標高1500メートルの高地だ。さっぱりとした表情の岡田監督が、チャーター機から降り立った。

 「きのう? 散髪に行って、あとは(デンマークの)映像を見ていた」

 完全オフだった前日21日にジョージの宿舎内の理髪店で散髪。「やっぱりさ、(行きつけの理髪店でないと)怖いから…。(切るのは)ちょっとにしたんだよ」と笑みを浮かべた。

 古河電工サッカー部時代には、はやりのパーマをあててプレーしていたほど、意外にも若いころから髪形にはこだわりがある岡田監督。神奈川県内の自宅近くにお気に入りの理髪店があるだけに、異国で髪を切るのは極めて異例なことだ。

 これは、まさに南アでの滞在が長期になることを見越しての行動。1次リーグ敗退など、みじんにも考えていない証拠だ。そんな岡田監督の口から、予期せぬ言葉が飛び出した。

 「ボクが日本と対戦するチームの監督だったら…。日本のディフェンスをパスを使って崩すのは簡単じゃないので、シンプルにボールを入れて、そのこぼれ球からの展開を狙うなあ」

 何と指揮官が自らのチームの弱点をあげ、対日本必勝法を披露したのだ。オランダ戦直前の会見では相手監督の名前を忘れたふりをして、ファンマルバイク監督(58)を挑発した。これもまた、デンマークオルセン監督(60)への挑戦だ。

 強化試合で4連敗を喫し、ずっと仏頂面だった岡田監督がすっかり冗舌に。デンマーク打倒への準備が完了したサインにほかならない。

 世界ランク36位(日本は45位)のデンマーク。過去3回のW杯出場ですべて1次リーグを突破してベスト16入りを果たしている強豪だ。岡田監督がキーマンとしているのが、身長194センチのエースFWベントナー。「あそこから、いろいろな攻撃が出てくる」と分析する。

 出発前、ジョージで行った非公開練習では、開始を50分も遅らせて、デンマークの試合のDVDをチーム全員で見た上、デンマークが得意とする高さをいかしたセットプレー、ロングボール、ロングスローへの対処を、徹底的にたたき込んだ。

 ベントナーさえ抑えれば勝機アリ。引き分けでも進出できるベスト16入りにむけて、すでにチームは準備を進めていることが分かった。

 決勝トーナメントで対戦するであろう強豪国の視察を開始した。ジーコジャパン時代から分析担当をしている和田一郎スタッフを中心に10人前後の特別プロジェクトチームを南ア各地へ派遣。協会と契約していない国内外の007も総動員して、1回戦で対戦するF組のイタリア、パラグアイをはじめとする各国の情報を収集している。

 さらに、1次リーグを2位で抜けた場合は、合宿地ジョージから離れた会場での試合が続くため、ジョージを引き揚げることを決定。各地を転戦するため必要となるホテル、移動手段などもすでに手配済み。まさに必勝態勢完了だ。

 「10−0ぐらいになってくれたら、楽できていいんだけど」

 すっかり恒例になった岡田監督のスコア予想。カメルーン戦は「1−0」で見事的中。「1−0・5」と予想したオランダ戦こそ外れたものの、今度は自信満々。デンマーク戦が待ち遠しくなってきた?

http://www.zakzak.co.jp/sports/soccer/news/20100623/soc1006231641003-n2.htm