ノムさんいよいよ現場復帰? ラジオで驚きの支持率88%

いよいよ現場復帰へ秒読みか?! 昨年パ・リーグ2位と大躍進した楽天が、ブラウン新監督の下、スタートダッシュに失敗し、19日現在8勝15敗で5位と低迷中。そんな中、あるアンケート調査で昨季まで指揮した野村克也氏(74)の復帰を求める支持率が88%に達した。「楽天名誉監督」の肩書を持つ野村氏が選手を指導することに支障はない上、球団もこれだけの高支持率は無視できない。となれば…。

 やっぱり、ノムさんじゃなければダメなのか。昨季まで広島を指揮したブラウン監督が率いる楽天は、早くも首位のロッテから8.5ゲーム差まで引き離された。野村監督の下、杜の都・仙台を熱く燃え上がらせたチームの面影はない。選手の顔ぶれは昨季とほとんど変わっていないだけに、やはり監督の差か、と思うのは自然だろう。

 広島で4年連続Bクラスだったブラウン監督でも勝てると考えたフロントの見込みが甘かったともいえるが、そんな中、興味深いデータが発表された。

 ニッポン放送で毎週月曜日の夕方放送されている「江本孟紀とことんプロ野球!」で、「やっぱりノムさん楽天監督を続けるべきだった?」というアンケートを実施したところ、実に「YES」が88%。支持率が30%を割り込む鳩山内閣もうらやむ?高支持率を獲得したのだ。これまでも聴取者に対し、同様のアンケートを実施してきた番組スタッフは「70%を超えれば大変なもの」という。いかに野村氏の復帰を願うファンが多いかということだろう。

 ファンの支持を受けて、19日、同番組に出演した野村氏は「(楽天は)いま最下位じゃないの? 違うの? もう時間の問題じゃ」と日本ハムに抜かれての最下位転落を予告。毒ガス発射とともに開幕からの大コケの原因をこう分析した。

 「(昨オフ、佐藤投手コーチ、山田バッテリーコーチ以外の)コーチが全員クビ。これがよくわからない。彼らは一生懸命よくやってくれた。だから(昨季)戦力がなくても、あそこまでこれたと思う。こういう形(首脳陣総取っ替え)を取ると、選手は戸惑う。監督が代わると、考えがまるっきり変わる。状況で何をやればいいのかが、ツーカーでできていたものが、またやり直しになる。選手は大変ですよ」

 確かにブラウン采配はメチャクチャだ。18日のソフトバンク戦では、好投の田中が打たれ、0−1のサヨナラ負けを喫したが、誰もが驚いたのは9回の守りの布陣。代走で出た内村がそのまま左翼に入ったものの、本職は内野で外野は昨年2試合守っただけ。その一方で外野が本職で肩の強い宮出が一塁。ありえない起用法に、野村氏もあきれ返るしかなかった。

 いよいよ野村名誉監督の出番か? 任期切れをもって、昨季限りで監督の座から渋々退いた野村氏だが、その代わりに名誉監督に就任した。昨年10月、三木谷球団会長から「若手をしっかり指導、教育してほしい」と要望された経緯がある。

 それでも、これまでは「自分が(現場に)出て行ったらブラウン監督がやりづらくなる。通訳がいちいち新聞の記事から何から全部訳して、毎日チェックしているらしい」と遠慮している部分もあった。しかし、チームの惨状に指揮官のムシがうずき出した様子だ。今月15日の西武−楽天戦(西武ドーム)をネット裏から今季初観戦。さらに…。

 「長嶋(巨人終身名誉監督)に聞いてみたい。何やってるんですか? カツノリ(巨人2軍バッテリーコーチ、長男)が(巨人の2軍に)『長嶋さん来てたよ』と電話してきて。なんか訓示を述べたらしいけど」

 現場復帰に意欲満々の野村氏。せっかく1億円もの年俸を払っている球団も放っておく手はない。派手な抗議とベース投げなどのパフォーマンスがウリのブラウン監督は、成績低迷とマンネリ化で一向に脚光を浴びず、昨季から比べて、チームのメディアへの露出は激減している。

 一方、采配と指導力では抜群の実績を持つ上、名物の「ボヤき」という切り札を持つ野村氏の再起用はチームの活性化につながる。球団は88%という高支持率も、むげにはできないはずだ。

 野村名誉監督が、いきなりベンチにどっかと座って指揮を執るというワケにはいかないだろうから、球場に「名誉監督室」でも設けて、選手一人一人に発奮を促すよう直々にボヤいてもらったらどうか。

http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20100420/bbl1004201230002-n2.htm