農相、秋田の配分「認めぬ」 大潟村への罰則を批判

赤松広隆農相は15日、閣議後の記者会見で、秋田県が2010年産のコメの生産数量目標配分で、生産調整(減反)に非協力的な農家が多い大潟村に県が独自に事実上のペナルティーを残し、少ない割り当てを示したことについて「信じられない。ペナルティーを科さないことが大原則。秋田県だけ(例外を)認めるわけにはいかない」と述べ、県側の対応を批判した。赤松氏は農林水産省高橋博総合食料局長を16日、現地に派遣し、県側の説得に当たらせる。

 秋田県の県米政策推進協議会(会長・佐竹敬久知事)は14日、県内の市町村への配分方針を協議。県側は生産調整が未達成の大潟村に対するペナルティーを3分の1減らし、その分を他の市町村に振り分ける方針を示したが、協議会メンバーでもある農水省の秋田農政事務所長が、生産調整に参加する農家の努力の範囲を超えた格差が残り、「不適切だ」と再考を求めていた。

 赤松氏は、戸別所得補償制度の導入により「従来は転作に税金が投入されていたが、今後はコメ作りそのものに税金が投入される。激変緩和は認めるが、公平公正にやってほしい」と注文を付けた。ただ、激変緩和をどの程度認めるかについては「僕が言う話ではない。最終的に政治判断で決める」と述べるにとどまった。

 農水省が県協議会の示した配分方針を基に試算したところ、大潟村減反に協力してきた農家は、所有する水田の64.3%に作付けできる。一方、非協力農家は減反に協力しなかったペナルティーが科されているため38.2%にとどまる。

 赤松氏は「38.2%では『コメを作るな』『新制度に参加するな』という意味であり、農相として認めない。どうしても物別れなら仕方がない」とも述べ、このまま県側が国の方針に従わない場合、戸別補償制度の対象から秋田県全体を外す考えをあらためて示した。

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/01/20100116t41017.htm