須坂園芸高の実力証明 生徒設計、県庁に庭園完成 長野

須坂園芸高校(須坂市)の造園科で学ぶ3年生が設計を担当し、県庁正面入り口に完成した庭園が評判を呼んでいる。県造園建設業協会(山崎信幸会長)の依頼を受けてデザインした庭園は、施工業者も「よくここまで洗練された図面を描ける」と感嘆するほど。生徒たちは「私たちが設計した庭園ができるなんて、本当に夢のようです」と感激している。

 庭園を造る計画は、昨年7月に懇談した阿部守一知事と協会幹部が「県庁舎周辺に整った緑が少ない」ということで一致したことが契機になった。

 協会からの申し出で庭園を整備し、寄贈することになり、全国造園デザインコンクールで最優秀の文部科学大臣賞を6年連続で受賞した同校に白羽の矢が立った。「須坂園芸の実力は高く、安心して設計を任せることができた」と山崎会長は話す。

 造園科の生徒の多くが活動する造園クラブ部長の根岸雅実さん(17)らが庭園の設計を担当。「信州の自然を楽しむ庭」をテーマに構想を練り、約2週間で設計図を描き上げた。

 クラブ顧問の西沢国之教諭が施工業者と調整を行い、今年4月の着工後は造園科23人の生徒たちが5月中旬まで5回にわたって作業に携わった。生徒たちは、同校の先輩でもある事業者らの指導を受けながら、ツツジの移植作業やコンクリート打ち、芝張りなどの作業を行った。

 完成した庭園は県庁正面右側の入り口部分。歩道に面した100平方メートルの敷地には、リンドウやダリアなど四季の花、ヒメリンゴシナノキなどの樹木を植栽し、信州の豊かな自然をイメージした。また車椅子を利用する人が下草の手入れをできるように芝生の通路も配置した。

 根岸さんは「授業では地表上のことしか学んでいなかったけど、作業を通じて協会の皆さんからコンクリートの基礎の造り方を教えていただいた。本当に素晴らしい体験ができました」と目を輝かせていた。

http://sankei.jp.msn.com/region/news/120607/ngn12060702210000-n1.htm