「寒すぎるギャグに失笑」水嶋ヒロ処女小説の“賛辞と酷評”

俳優、水嶋ヒロ(26)が本名の齋藤智裕名義で執筆し、第5回ポプラ社小説大賞を受賞した処女小説『KAGEROU』。発売2日目で68万部に達し、印税も1億円突破が確実とみられる中、インターネット書店のレビューでは、早くも賛否両論が渦巻いている。

 『KAGEROU』は、リストラ、借金に苦しみ自殺しようとした40代の男性が主人公。臓器提供を裏取引する話を通じ、命の尊さを問う−というストーリー。

 5段階で作品を評価するアマゾンのカスタマーレビューは、星1つという厳しい評価が圧倒的多数を占める。意見の中身は、かなり手厳しい。

 「文章力や語彙力は新人という点を考慮しても、商業作品として出版するに値しない」「“命”をテーマにしているとはいっても、彼(水嶋)がそれを読者に伝え切れてないなという印象」「エンターテイメント性があるわけでもなく、『ここ笑えるでしょ?』的な寒すぎるギャク?も失笑」「上手な子供の『作文』を読ませてもらうには、(1470円は)高すぎる」−。

 攻撃の矛先は、ポプラ社にも向けられ、「こんなものを商品として出すことで、自分たちが想定する読者のレベルを白日のもとに知らしめたその志の程度の低さに唖然とする」−と容赦ない。

 これに対し、同じく5段階で評価する楽天のユーザーレビューでは、星5つが最も多く、全く逆の評価だ。

 「文字が嫌いな私でも2時間も掛からず読破。それくらい引き込まれました」「水嶋ヒロさんが書いたということを抜きにして、面白くてあっという間に読み終わりました」「全てが幸せで終わるわけではないですが、ちょっと命を考えさせられました」と、かなり好意的だ。

 いずれにしても、話題が話題を呼んで、出版社が黙っていてもPRになるという図式か。

 プロは、どう読むか。発売直後に読了した作家の内藤みかさんの評。

 「命というテーマが全編に流れ、考え込ませる良作でした。ただ主人公が40歳の失業者なのですが、これを26歳の元芸能人という本人とリンクする設定にすれば読者としてよりのめりこんで読めたかな。柳楽優弥くんや桜塚やっくんなども小説を出版しています。イケメン芸能人小説本が来年はブームになるかも?!」

 さらに、内藤さんは、女性ならではの視点も付け加えた。

 「40歳という設定に合わせてなのか全編にオヤジギャグが満載で、あのイケメンのヒロくんがこれを書いたのかと思うとなんだか痛々しくさえなりました」

http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20101218/enn1012181405014-n1.htm