虎に激震!真弓更迭、金本クビに星野再任のどんでん返しも

阪神は17日、巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦で6−7で逆転負けを喫して連敗。ペナント終盤戦同様の勝負弱さを露呈し、CS敗退が決定した。真弓明信監督(57)の来季続投は確定的な情勢に関西の政財界関係者からは「真弓更迭、星野仙一監督待望論」が噴出。さらに存在感なくシーズンを終えたチーム最高年俸の金本知憲外野手(42)のリストラ断行と激震は免れない。

 ペナントも日本一の栄冠もつかみ損ねた。本拠地甲子園なら圧倒的有利という大方の予想と期待を裏切ってのまさかの連敗終戦だ。

 阪神・坂井信也オーナー(62)は試合後、悔しさから「今季を振り返って? きょう振り返るのはやめましょう」と報道陣からの質問をさえぎり、そそくさと帰路についた。

 怒りのオーナーとは対照的だったのが真弓監督だ。すでに今月8日に坂井オーナーから続投要請を受けており「続投の意思? 変わらんよ」と早くも来季の指揮へやる気満々。スタンドから飛び交う罵声にも「ここ一番に弱いのを払拭できなかった。来年に向けてのいい課題になった」と淡々としたものだ。

 ペナントレース終盤から、“ここ一番”という試合で、ことごとく敗れてきた真弓阪神。采配を疑問視する声が多い指揮官をはじめ、チームがこのまま無風でオフを迎えるなんて甘すぎる、という厳しい意見が出るのは自然だろう。さっそく阪神ともつながりの深い関西の財界関係者が、火の手を上げた。

 「関西の大方の政財界人は真弓監督は今年で終わりで、来年は星野さんが監督をするものと思っていた。地盤沈下する関西経済の浮上のきっかけを作るのは星野再登板だという認識だった。それが今月になって『真弓続投』と報じられてから、各企業のトップは皆『タイガースは何を考えているのか』と言っている」

 真弓監督更迭星野仙一オーナー付シニアディレクター(63)の監督復帰待望論だ。中日、阪神での監督生活13年間でリーグ優勝3回。特に2003年、暗黒時代にあった阪神を優勝まで引き上げ、関西を猛虎旋風で活気づかせた星野監督の手腕を関西政財界のお歴々は高く評価している。“闘将”の下、勝てる阪神を再び−というのが願いだ。

 ただ、その星野氏は来季、楽天監督就任が濃厚。きょう18日にも楽天が正式に就任要請し、阪神も「なりたければどうぞ」と、星野氏の考えを尊重する考えを打ち出している。そんな阪神の姿勢にも、前出の同関係者は歯がゆさを隠さない。

 「楽天の監督就任話にも坂井オーナーは『(星野さん)選ぶのはあなた』という姿勢。星野さんも(球団に対し)『何がなんでも残ってほしい』ではないのかと残念に思っている。(球団首脳は)タイガースは単なる一球団ではなく関西圏全体を揺るがしうる球団であるという認識を持っていない」

 そんな関西政財界の声を阪神球団のトップは無視できるか。続投確定的となっている真弓体制も、ぶざまなCS2連敗で情勢は一変。盤石でなくなってきていることは確かだ。まずは、V逸の責任の所在を見いだし、改善しないことには来季への前進はかなわず、リストラは避けて通れない。その対象一番手は、ズバリ金本だ。

 真弓監督の下での2年間の成績は、打率・253、36本塁打、133打点。チーム最高の4億5000万円の年俸に見合う数字とはいえない。特に右肩を痛めた今季の低迷ぶりは著しく、今回の巨人とのCS第2戦は、スタメンを外れ、代打でも出番はなかった。

 今年4月に連続フルイニング出場が1492試合で止まったが、連続試合出場は1763試合で継続中。この一戦はCSのため、記録は来季以降継続されるが、日本シリーズを含めても、広島時代の1998年7月7日以来の欠場だ。

 球団幹部は「金本に気を使って連続出場にストップをかけられないわけではなく、段階を踏んでやっていこうという考え方だ」と話す。この試合の欠場は、まさにその“肩たたき”のサインだ。

 今季3回目のFA権を取得した金本に対し、球団は残留要請をする旨を明言し、すでに水面下で交渉に入っているが、大減俸は必至。“肩たたき”のサインを当然感じ取っている金本もDH制のあるパ・リーグ移籍を考えざるを得ないだろう。

 既定路線通り星野氏が楽天監督就任となれば、金本もFAで楽天移籍という可能性が膨らんできた。星野氏と親しい財界関係者も、「星野さんが楽天の監督になったら、金本選手を引っ張る可能性はある」と証言する。

 真弓更迭、星野再任の大どんでん返し、金本のリストラは? ブラウン監督電撃解雇の楽天、身売りの横浜に続き、阪神にも大激震が走る。

http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20101018/bbl1010181552007-n1.htm