ノムさん、楽天・星野監督誕生に警告「金本連れてくる」

楽天野村克也名誉監督(75)が、次期監督として阪神星野仙一シニアディレクター(SD)(63)の招へいに動いている球団に「星野は大変だぞ」と警告を発した。

 ノムさんは8日、サンケイスポーツの評論で、巨人vsヤクルトの行われた東京ドームに登場。阪神では自身の後に星野SDが監督になって優勝しただけに、楽天も同じようになるのではないかと期待は大きい。

 しかしノムさんは「阪神楽天じゃ全然違うからな。阪神はオボッチャマ気質。楽天はマジメ集団。そりゃ選手は一番戸惑うわな。オレとは正反対だから」と両チームを比較。「星野はチーム作りってやったことあるのか? 出来上がったところにポッカリと、フワフワの座布団の上に、そういう経験しかしてないだろ。それじゃ大変だな」と最下位に沈んでしまったチームを立て直すのは容易でないとした。

 さらに「星野はオレとは正反対。そういう意味では面白いかもしれない。どういう風に面白くなるかは、想像つかないけど。まぁ球団は大変だよ。そりゃ今までのようにはいかんわい。ワンマン監督さんだから。端的に言えばオカネがかかる」とズバリ指摘。楽天フロントは口うるさいノムさんに手を焼いてきたが、星野SDとなるとその比ではない。

 星野SD阪神を大型補強で強化したが、「阪神で一番のヒットは金本を連れてきたこと。金本、下柳、伊良部。それは彼の手腕だろうけど。楽天にも金本を連れて行くのか? 可能性あるぞ」と大予想。もっとも、FA権を再取得した金本を獲得すれば、年俸4億5000万円に加え阪神への補償金1億1250万円が必要となる。

 「楽天はオカネにはシビアで、使いたくない。利益追求型のチームだから。野球はもうかりませんよと散々言ったんだが。オレがクビになった一番の理由は給料が高すぎたこと。それで安い監督(ブラウン)を連れてきたんだから」とノムさんが言うようにケチぶりは有名。これまでの楽天なら、金本クラスの選手を獲得することはあり得ない。

 星野SDは監督受諾の条件を「そのチームがどういうコンセプトを持っているか。どういう補強をするのか、どういうチームづくりをしたいのかで、これまで引き受けてきた」と語ったが、楽天のビジョンは全く逆のもの。ノムさんは「楽天はいい方向には向かっていない。転落の一途をたどってるようにしか見えないんだけど」と不安視しているだけに、ここで星野SDを迎え入れるには、相当な出血を覚悟しなければならない。

 どちらにしても星野監督と野村名誉監督がどんな絡みをみせるのか。大いに注目が集まりそうだ。

  (塚沢健太郎


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