参院選の陰で“大阪夏の陣”橋下vs平松の舌戦エスカレート

熱戦の続く参院選の陰で、大阪ではもう一つの戦いが注目を集めている。大阪の再編構想をめぐり真っ向から対立する橋下徹大阪府知事(41)と平松邦夫大阪市長(61)が、同日に実施される大阪市議補選でそれぞれ別の候補を応援、これ以上ないほど舌戦をエスカレートさせているのだ。

 大阪府大阪市を一体化させる大阪都構想を掲げる橋下知事政令指定都市の権限を拡充する大都市圏州(関西州)を主張する平松市長。相いれない未来像を描く2人の溝はこのところ深まるばかり。特に今回の大阪市議補選(生野区、定数1)は、橋下知事が自ら代表を務める地域政党大阪維新の会」の新人を応援。これに対抗し、平松市長が民主新人の応援を表明するなど、府市トップ2人の代理戦争の様相を呈している。

 遺恨が絡むとはいえ、とにかく2人の舌戦はすさまじい。

 「役所天国の大阪市にノーを突きつけよう」「みなさんで市役所をぶっつぶそう」

 橋下知事は今月2日の告示日の応援演説でこう訴え、「覚悟がないのは大阪市役所職員と市議。市議は高い年収を守りたいから抵抗しまくりだ」と大阪市攻撃のトーンを上げた。

 普段は紳士然とした平松市長もこれにはカンカンで、「知事はアジテーション(扇動)がうまい」と強調。橋下知事が提唱している首長の政治グループ結成構想についても、「(参加は)2億%ない」と否定した。

 さらに、平松市長はタウンミーティングで、「区長公選制の導入で何かが変わると思ってしまうと大きなワナが潜んでいる」と知事の大阪都構想を批判。これには橋下知事が「選挙期間中に市主催でタウンミーティングをするのはおかしい。市役所は税金をむさぼり食うシロアリだ」と応酬し、泥仕合は手が付けられないありさまだ。

 こうした状況に府民・市民の多くも「大人げない」などと冷ややかな視線を送るが、そこは大阪。おもしろがったり、ケンカをあおる向きもあるようで、「これまでは橋下が優勢。平松ももっとキツ〜イ一発を返さな…」といった声も聞かれた。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100708/plt1007081612002-n2.htm