スマートフォン競争激化、ソフトバンクiPhoneで独走

ソフトバンクモバイルが24日に発売した米アップルの新型多機能携帯電話(スマートフォン)「iPhone(アイフォーン)4」は、各地で行列ができ、あらためてiPhone人気の高さを示した。NTTドコモやKDDIも対抗機種を打ち出し、スマートフォン競争が激化している。

 iPhone4は、高精細な液晶パネルを搭載、表裏にカメラを付けてテレビ電話も楽しめるなど大幅に機能を強化。予約受け付け開始の15日には注文が殺到、ソフトバンクの業務システムがつながりにくくなった。孫正義社長は「これまでのiPhoneの10倍の予約があった」と話す。

 iPhoneは、ゲームなどさまざまなアプリケーション(アプリ)を取り込んで機能を増やせる。従来の携帯にはあまりなかった特長で、人気が高まる要因となった。アプリはすでに22万本を超えたといい、iPhone4を手にした東京都世田谷区の自営業男性(39)は「すぐにいろいろなアプリをダウンロードして楽しみたい」と話していた。

 民間調査会社のMM総研の調べでは、2009年度のスマートフォンの出荷台数は前年度比2倍強の234万台。そのうちiPhoneが約7割を占めた。

 ドコモとKDDIはiPhoneの独り勝ちを防ごうと必死だ。KDDIは24日、個人向けとしては初めてのスマートフォン「IS02」(東芝製)を発売。30日発売の「IS01」(シャープ製)には、地上デジタル放送のワンセグ受信や赤外線通信など従来型携帯の機能も搭載し、違いを出す戦略だ。

 ドコモは米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」の搭載端末を中心に展開。4月に発売したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「Xperia(エクスペリア)」が人気を集めている。秋には高精細画面が特徴のサムスン電子製「ギャラクシーS」も発売する予定だ。

 MM総研の横田英明アナリストは「スマートフォンが携帯市場全体を活性化している。1年ぐらいはiPhoneの圧倒的な優位が続くが、次第にアンドロイド端末も伸びてくる」と予測している。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100630/dms1006301618009-n2.htm