刑法犯検挙率37・9%

4.8ポイント上昇 治安対策が奏功

 2009年の刑法犯の検挙率は前年より4・8ポイント上昇して37・9%となり、刑法犯認知件数が急増した01年以降で最高の水準に回復した。殺人などの重要犯罪の検挙率は前年比24・5ポイント増の80・2%に達し、過去10年間で最も高かった。02年から強化してきた治安対策の効果が表れた形だが、県民が治安の悪化を感じやすい空き巣などの重要窃盗犯の検挙率が落ちるなど課題も残った。

 県警刑事総務課によると、09年の刑法犯認知件数は前年より1245件少ない2万2190件と7年連続で減少した。検挙件数は652件増の8407件、検挙者数は254人減の5546人。認知件数の減少は、自転車盗の883件減、振り込め詐欺の287件減などが主因となった。

 重要犯罪の検挙率では、強制わいせつが同41・4ポイント増の78・7%、強姦(ごうかん)が同52・6ポイント増の100%と、性犯罪の検挙率が大幅に上昇した。

 県警は04年から3年ごとに数値目標を定めた治安対策を策定。認知件数の抑止とともに、体感治安に大きな影響を与える重要犯罪や重要窃盗犯の徹底検挙を重点目標に定めた。

 これを受け、迅速なDNA鑑定など科学捜査の強化や、広域犯罪に対応する積極的な共同・合同捜査を実施。09年5月には、新潟市内で強制わいせつや盗みなどを繰り返していた男の捜査のため、関係署や新設の「子ども・女性安全対策室」などの合同捜査班を組み、約1か月で逮捕した。

 一方、空き巣やすり、ひったくりなどの重要窃盗犯の検挙率は同1・8ポイント減の36・3%に下落。常習犯が目立つが、09年の検挙者数238人に対し検挙件数は854件と、02年と比べて1人当たりの余罪件数が大幅に減り、検挙率を下げる大きな要因となった。

 県警は今月発表した10〜12年の新たな治安対策で、重要窃盗犯の取り締まり強化を掲げている。

 ◇検挙率◇

 犯罪の検挙件数を認知件数で割った数値。県内の刑法犯認知件数は01年に3万件を超え、02年には過去最多の3万5947件にまで増加した。検挙率は戦後、70〜40%前後で推移したが、認知件数の増加に伴い低下し、01〜05年は20%台、06〜08年も30%台前半と低水準が続いていた。

 

(2010年1月17日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20100116-OYT8T01204.htm