巧妙、知らぬ間に有料登録 出会い系サイト詐欺事件

宮城県警などが摘発した出会い系サイト詐欺事件。県警によると、「さくら」はSNSの男性会員に接触し、実際には女性のいない「出会えない出会い系サイト」へと巧みに誘導。サイト内では5万人もの女性キャラクターを使い分けるなど、手の込んだ工作を繰り返していたという。

 県警によると、グループはSNS会員を有料サイトに誘い込む「誘導集客」、メールのやりとりを担う「オペレーター」などの部門に分かれていた。さくらはSNS会員に「友達になりましょう」と接触。数回のやりとりを続けた後、「迷惑メールが多いから別のサイトで二人きりになりたい」などと誘い、偽装サイトなどを経由しながら、架空サイト(バーチャルサイト)へと移動させていた。

 架空サイトに登録すると、「La Porte(ラポルテ)」など同社が運営する有料の出会い系サイトに同時登録される仕組みになっており、男性らは知らない間に有料サイトの会員にさせられていたという。

 出会い系サイトを利用するには1ポイント10円の換算で、掲示板利用に28ポイント、メール開封に38ポイント、送信に48ポイント、画像閲覧に50ポイントがかかり、被害者のほとんどは、後になって高額の料金を請求されたという。県警などはこれまで全国の被害者50人を確認。被害額は1人数万〜280万円で計約1400万円に上っている。

 グループは、男性会員にできるだけ頻繁にサイトを利用させて利益を得ようと、「早苗」や「良々歌(ららか)」と名乗る女子大学生や女性社長など約5万人の女性キャラクターを使い、会員を飽きさせないよう工作していた。怪しまれないように会う約束をし、直前でキャンセルしたりしていたという。
 捜査関係者は「信用度の高いSNSのIDを使うなど悪質。実際に交際を信じていた被害者もいた」と明かした。

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/01/20100116t13022.htm